1. かごめかごめ

 

作詞・作曲:真神稲荷(まがみいなり)

歌:巡音ルカ

テーマ「妄執」

 

合わせ鏡の中――

「鳥居から何時(いつ)出やる?」 揶揄(からか)う顔の白狐

 

微睡(まどろ)みが見せる梦(ゆめ)――

 

 「稚(おさな)い頃に口(くち)遊(ずさ)んだ童謡(わらべうた)が頭の中を駆け巡る。

 後ろの正面誰と問いかけても周りには誰も居ない。

 常に嘲り笑う声だけが聞こえてくるけど、

 其れが誰の声なのかも思い出せない。

 私は何時だって独りだった。

 他に誰か居ないかずっと探していた。

千本鳥居に見立てた合わせ鏡を覗いてみても、

私以外には誰も居ない――」

 

「――そう、お腹の中の此の子さえも」

 

希っていた生命、私だけが独り――

――そして流れる澱 昏倒が見せる幻影

 

せめて此の子だけはと譫(うわ)言(ごと)の様に繰り返す

 信じるだけ裏切られ 手は虚空を摑む

 「宿したのが罪か? 生まれたのが罪か?

       只の戯れなのか? 何で私だけが?」

 

閉じ込められた部屋で 針の音だけが響く……

燭台を鏡に叩き付け――

 

割れた鏡の欠片 震える手で咽喉を狙う

「私もすぐに行くから」 緋く染まる氈

 

――嗚呼!

 

罪が今、裁かれる 赦されない産みと悼み

吾子(あこ)が口付をせがむ――朧な視界の中

吾子の倖せを希い遠のいていく意識――

「其……処…へ………」

 2.逢魔ヶ辻

作詞・作曲:Kay

歌:神威がくぽ

テーマ「淡く散りゆく片思ひ」

 

願っても叶わない

こんなにも恋焦がれているのに

最低な気分だ

 

君と僕が出会わなければ

どんなに幸せだったか後悔してる

 

僕は待つさいつまでもいつまでも

君のことをこの「辻」で

わかってるさいつでもいつまでも

君は来ない

 

夕焼け小焼けに独り立ち尽くした

ひらり落ちる紅葉淡く散った

 

夕焼けに沈んだ叶わぬ恋物語

赤い空眺めた 「片思ひ」

 

君の眼は僕を見てなくて

でも僕のこの思いは本物なんだ

僕は待つさいつまでもいつまでも

 

君のことをこの「辻」で わかってるさ

いつでもいつまでも 君は来ない

夕焼け小焼けに包み込まれた

消えゆく影法師淡く散った

鴉が啼いた子供の声も消えた

赤い空眺めた「片思ひ」

 

夕焼け小焼けに独り立ち尽くした

ひらり落ちる紅葉淡く散った

夕焼けに沈んだ叶わぬ恋物語

赤い空眺めた 「片思ひ」

 

ただ蜉蝣のように嗚呼蜉蝣のよう

 

3.生奴隷

作詞:出来立てオスカル

作曲:激情P

Mix:Gazigazi☆CreationZ

歌:重音テト&破壊音マイコ

テーマ「憎悪」

 

ありがとう。しきれぬ感謝御礼

一昨日に口へ吐かれた痰を

飲み込まず新鮮な唾と混ぜて

大好きなお前らにあげる

 

生きて 生きて 生きて

生きて

 

気が狂れる贅沢な人を

横目見て憧れるオナニー

湿ってく摂理?反応?失禁?

気持ち悪。ゲロが出そう。

 

生きて 生きて 生きて

生きて

 

塗り潰し蔑まれ泣いても

死ぬほど嫌う幸せに救われ

痛まない身体は治癒してく

生かし生かされ続け生きたままで死ね

 

奴隷

 

抉り取れ 見つめろ

突き破れ 澄ませ

削ぎ落とせ 嗅ぎ取れ

噛み切れ 感じろ

 

受け入れて 絡まり

吸い取って 出して

あきらめて 寝込んで

持ってかれ 終わり。

 

放り出した物体に感傷と 性懲りもない後悔と同調 集られて奪われ剥き出され 流し捨てられ消えて死ぬ為だけ生きろ

 

 

でもどうせ何気なく装い

敢えて笑み添えお前らの真似して

宛てもなく歩くでしょうこのまま

徒党の中で誤魔化して騙して

 

生きて 生きて 死ぬ

生きて 生きて 生きて

生きて 生きて

 

4.愛と罪悪感の行方

作詞・作曲:ely(黒魔術P)

歌:鏡音リン

テーマ「愛」

 

細い指を差し出して 飾られる色を見てた

貴方の好む彩色 私の嫌いな色

 

煌めく光の粒に翳した両手を

愛おしく思えば 心が泥に沈む

 

許されたいのは 誰の為か

見届けたいのは 誰の果てか

二つに別たれた 心の形は

歪んだまま 戻れないでいる

 

白い首を差し出して 目を閉じるのを見ていた

貴方の好む面影 私の嫌いな顔

 

未来の夢を見た夜に 流した涙を

愛しさで飾れば 痛みが痕に変わる

 

許されないのは 誰のせいか

見たくもないのは 誰の果てか

近過ぎた運命を呪う日には

足跡さえ 憎しみさえ 欲しくて

 

私の手を解いて 遠ざかる背に

そっと小さく祈りを捧げた

何度でも 何度でも 傷付いて欲しい

抉り なぞった その傷口まで愛するから

 

 

許されたいのは 誰の為か

見届けたいのは 誰の果てか

二つに別たれた 心の形は

歪んだまま 戻れないでいる

 

許されないのは 誰のせいか

見たくもないのは 誰の果てか

近過ぎた運命を呪う日には

心まで 身体まで 欲しくて

 

7.falsehood

 

作詞・作曲:けんたん(shedenden)

歌:初音ミク

テーマ「偽り」

 

乾いた夜空を見上げた

か細く瞬く星々

 

自由が欲しいと嘆いた

希望が欲しいと叫んだ

 

息をする事でさえ

諦めてしまうほど

生きる事それだけを

誰もが押し付けてくるよ

 

さよなら

幻想に沈む街

さよなら

混沌の意味を知る

 

僕らは また目を反らして

無垢な目に夢を見せてる

 

矛盾した現実が

 

交差して苦しめる

有限のの現世に

意味を見いだせないままで

 

さよなら

偽りだらけの星

マボロシ

虚ろな未来を知る

 

さよなら

幻想に沈む街

さよなら

この偽りの躰

 

5.皮肉九

 

原詩・原案:べる

作詩:音無結露

作曲:闇夢ミケ

歌:結月ゆかり

テーマ「殺意」

 

優しい言葉 嘘以上に汚い言葉

惨劇の夜「資産住人、死人が捌」

 

瞳に映る 世界は 綺麗?

脈打つ細い 腕には 痣を(あげる)

 

美しく 曲がる首

綺麗だよ 嗤え

死後弐蹂 君の骨

歪でしょ?家族会

 

吊るした此の子 四六時中揺らめく躰

着せ替え人形 「子産蹂躙、四肢は血塗」

 

くちゃくちゃ咀嚼 喉へと注ぐ

ぐじゅぐじゅ溢し 静かに嗤え

 

食卓に 愛情と

潰された トマト

綺麗でしょ? 舌と耳

 

四苦惨事 食餌会

「ねえ、おいしい?ぱぱ」

「ねえ、怖いわママ」

「ねえ、おかして ぱぱ」

 

「さあ、壊して」

 

美しく 落ちた首

水たまり ひとり

死んでいた 全て

生きていた わたし

 

「おはようございます」

 

 

6.cavum

 

作詞・作曲:aymnworks

 

歌:初音ミク

 

テーマ「憂鬱」

 

 

 

空っぽに消えた世界に

 

一つ一つ種を埋めましょう

 

真っ暗で寂しい世界に

 

少しずつ花を植えましょう

 

空っぽになった心に

 

何か感情を贈りましょう

 

あぁ困った僕にあるのは

 

悲しみと憂いだけだった

 

 

なんにもない悲しみより

 

涙できる悲しみに願おう

 

なんにもない憂いよりも

 

祈怒哀落に賭けよう

 

 

 

この憂鬱を誰か壊して

 

偽りに縋る僕を殺して

 

 

 

空っぽじゃなくなった世界

 

一つ一つ見渡したら

 

真っ暗で寂しい世界が

 

少しずつ僕を蝕む

 

空っぽじゃなくなった心に

 

僕が与えられるものは無い

 

あぁ困った僕にあるのは

 

悲しみと憂いだけだった

 

 

 

なんにもできない僕より

苦しむ人々に願おう

なんにも持たない僕よりも

喜怒愛楽に祈ろう

 

この憂鬱を誰か壊して

嘘に塗れた僕を殺して

 

この壊れ果てた世界に

君が残ってる奇跡

ここはまだ闇の始まり

僕を越えて進め

 

この憂鬱を誰か壊して

僕が『憂鬱』、闇の入り口

この憂鬱を誰か殺して

僕にできるのは願うことだけ

 

8.シャーデンフロイデ

 

作詞:優羽姫

作曲:nijill_chan

歌:初音ミク

テーマ「シャーデンフロイデ」

 

微睡みの中で甘い果実に

接吻(くちづけ)を堕とす無邪気な天使

 

緋(あか)く染まる糧何故(なにゆえ)の色と

知るその瞳は一筋流る

 

悲劇ガキタ?苦痛ヲエタ?

全部全部食べてあげるわ

 

どうか悦びを私にちょうだい

愛憎焦燥とても甘いわ

 

憎イカシラ?醜イワネ?

私をほら生かしてくれる

目覚めた夜貪る快楽は不幸(なみだ)

アマイカジツ他人(ひと)の不幸で実る果実(みつ)